【小売電力事業者向け】電力の安定供給のために取り組むべき対策とは

再生可能エネルギーの安定供給

脱炭素の動きが進む中、日本も再生可能エネルギーへのシフトが進み、2021年には発電電力量の20.3%が再エネから供給されました。しかし、再エネは気候の影響を受けやすいため、安定供給には蓄電池や需給調整が必要です。

特に注目されるのが、分散型電源を束ねるバーチャルパワープラント（VPP）で、大型蓄電池NAS電池の導入により安定化が期待されています。また、日本ガイシとリコーの「NR-Power Lab」は、ブロックチェーン技術で信頼性と透明性を高めた新たなエネルギー管理を目指しています。

地産地消電力は、地域内で発電された電力をその地域で消費する仕組みで、送電ロスの削減や地域経済の活性化、エネルギー自給率の向上といったメリットがあります。ドイツの「シュタットベルケ」や日本の「みやまスマートエネルギー」などがその例です。

日本国内でも自治体と地元企業が協力し、各地で地産地消電力のプロジェクトが増加中です。これにより地域の防災力や経済の自律性が強化され、今後さらに拡大が予想されています。

出力抑制とは、需要と供給のバランスを保つために、電力需要を超える発電量が見込まれる際、発電事業者が出力を抑える措置です。

日本では、再エネ導入が進む中、特に九州エリアでの抑制が増えていますが、世界的には蓄電池よりも低コストな方法として戦略的に行われることが多いです。

出力抑制は事業者の収益に影響するため、日本では抑制を最小限に抑える対策として、電力需給の調整や系統増強などが検討されています。