「NR-Power Lab」は、日本ガイシとリコーがタッグを組み、双方の強みを活かして「モノ✕デジタル✕サービス」の力で脱炭素社会に不可欠な再生可能エネルギー(再エネ)の普及に関わる課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指す企業。
具体的には、IoT技術を活用して多様なエネルギー資源を統合・制御し、電力の需給バランスを調整するVPPサービスの提供、さらに発電・利用データを活用し社会に新たな価値を提供する電力デジタルサービスの2つの事業化に取り組んでいます。
VPP事業を推進する「NR-Power Lab」。今回実際に事業に携わるご担当者に今後の展望に関してインタビューを行いました。
VPPサービスについてですが、現在実機での実証を進めていて、2025年度に向けて商業実証を行う予定です。目的としてはさまざまなお客様への事例を増やしていくことです。
2026年4月からビジネスとして本格的にスタートする準備を進めています。できれば今年の4月からサービスを正式に提供したいと考えています。リコージャパンのGX事業部では電力小売り事業や脱炭素ソリューションを展開しています。このVPPサービスは、電力とスタンスを組み合わせたソリューションとして、GX事業の一環としてNR-Power Labで開発したシステムやビジネスモデルを取り入れてビジネス展開していく予定です。
基本的には電力をリコー電気に変更していただき、その電力契約のもとに蓄電池を設置します。そして、その蓄電池を遠隔で管理・運用するサービスを提供します。このサービスは、電力料金のメニューと蓄電池の供給・運用をセットで提供するものです。これらが組み合わさった内容をデジタルサービスと呼んでいます。データを活用するのもVPPの特徴で、お客様の情報をもとにソリューションを提案し、電力契約や蓄電池の設置、脱炭素の実現に貢献するビジネスです。
そうですね、需要家の方々もいますが、太陽光発電事業者や脱炭素計画を作っている自治体さんなども含まれます。
まずは製造業のお客様や、似たような業種のお客様ですね。実際にリコー電気と契約しているお客様や、地域新電力と連携して実証を行っているところを対象にしています。実証している事例を他の地域に展開し、興味を持っていただいたお客様に購入してもらえるかどうかを来年度に検証する予定です。
最低でも1年はかかると思っています。年間を通じて効果を見たいですし、季節ごとに変動する効果も見たいので、基本的には1年です。例えば、2025年度中に実証を行い、2026年からビジネスを開始する場合、実証中のお客様にはそのままサービスとして提供できるように考えています。
目標値はまだ設定していませんが、製造業のお客様で契約してもらえることを目指しています。顧客ターゲットやペルソナを明確にし、来年度の計画に盛り込んでいきます。具体的な目標としては、何社と契約できるかを設定したいです。
もちろん、使い方や規模によりますが、電力価格が高騰したり、系統が不安定になったりする状況では、国も予測して対策を進めています。効果が出るお客様には蓄電池を導入してVPPサービスを利用してもらえると思います。
また、蓄電池を活用したビジネスの一つとして、ストレージハブを進めています。ストレージハブとは、簡単に言うと蓄電所のことですが、電力市場や容量市場、受給調整市場での取引で収益を得るものです。我々が考えているストレージハブは、発電所や需要家にも電気をすぐに提供できる蓄電所です。
開始にあたっては、日本全国や関東エリア、東北エリアなど一気に進めるのは難しいので、単位を小さくして自治体や地域新電力をターゲットに、地域内で需要と供給のバランスをストレージハブでコントロールしていこうと考えています。2025年4月をターゲットにして工事を進めています。現在は工事を始めたところです。また、2026年4月から事業化したいと考えています。
大きなところではなく、約5万人前後の地域新電力さんと話しています。
2つあります。一つは、地域新電力ごとにストレージハブを設置していくことです。もう一つは、エリアとしてもっと大きくして、自治体単位や都道府県単位で需要と供給のバランスを取る仕組みを作ることです。
VPPを進めるためには、リソースをできるだけ多く確保して扱えるようにすることが重要です。技術的には、リチウム電池のメーカーと繋がる必要があります。さまざまなメーカーの製品を活用することが大切です。また、電池以外にも空調コントローラーなど、ビルのエネルギーマネジメントシステムと連携して、コントロールできる電気の量を増やしていきたいと思っています。
両社のネットワーク技術や産業用蓄電池といった強みを融合させ、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。
設立以来、多数の実証実験を重ね、2026年のVPP(バーチャルパワープラント)の本格稼働に向けLABとして着々と準備を進めています。
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