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近年、原油価格の上昇や為替などの要因により、エネルギー調達コストが高騰しています。これにより、小売電気料金も年々値上がりしており、家庭や企業への負担がのしかかっています。
このエネルギーコストに対する抜本的な対策として注目されているのが、再生可能エネルギーによる自家発電システムです。たとえば、太陽光パネルを用いた自前の発電設備を構えることで、小売電力に依存しない電力需給のしくみを構築することができます。
自社で太陽光発電を行うことによって、電気代上昇の影響を受けることなく、長期的なエネルギーコストを見通すことができます。このことは、特に電気をたくさん使用する工場や商業施設、オフィスビルなどの持つ企業においては、経営戦略を考える上で重要なファクターとなります。事業に欠かせない設備・施設のランニングコストを安定化することは、組織の競争力強化にもつながるのです。
再生可能エネルギーを使った事業展開は、環境経営の考え方に直結します。CO2排出量削減につながる再エネ活用により、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)を果たすことで、社会からの信頼性を高め、企業価値の向上に寄与します。
近年、投資家の間では、社会的責任をきちんと果たしている優良企業に投資を行う「ESG投資」の考え方が広まりつつあります。ESGは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3要素を表しており、企業統治のとれた透明性の高い経営を行っている企業に投資することで、長期的なリスクを抑え、リターン改善の可能性が高まるという考えに基づいています。つまり、環境経営をはじめとしたCSRに取り組むことは、企業の信頼性を高めるとともに資金調達の面でもメリットがあるのです。
参考:[PDF]ESG投資について|財務省(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_kkr/proceedings/material/kyousai20201202-3.pdf)
自社で再生可能エネルギー導入を検討する場合、まずは現状のエネルギー消費分析を行います。どのセクションで、いつどのくらいの電力を使用しているのか調査し、データをまとめて分析します。
次に、自社で導入できる再エネの種類や、設備の設置環境などからみた適合性を評価します。現在の電力使用量と再エネの発電量、この先かかる電気代と設備投資のバランスをよく検討します。
導入が決まったら、具体的な計画立案と資金調達の検討に入ります。国や自治体、金融機関では、再エネ導入のための補助金や融資制度を用意しています。
再エネ導入にあたって、技術(エネルギー)の選択が必要になります。太陽光発電、風力、小水力、バイオマスなどの選択肢から、自社に最も適したものを採択していきます。また、施工にあたっては、電力会社や経済産業局に許認可手続きを行う必要があります。これらの検討や手続きを社内で行うのは煩雑ですが、信頼できる再エネ事業者と連携することで、効率的に進めていくことが可能になります。
従来モデルの再エネでは、余った電力の一部を売電することで初期投資の早期回収を見込んでいました。しかし、再エネ電力の固定価格買取制度(FIT)は10年前と比較して2分の1から3分の1程度にまで下落しています。そこで新たなエネルギー循環のモデルとして登場したのが、バーチャルパワープラント(VPP)のしくみです。
VPPでは、一般家庭や企業に設置されている太陽光発電設備や蓄電池などの分散型電源をひとつのネットワークでつなぎ、仮想発電所のように運用するシステムです。余った電気をリアルタイムで足りないところへ送ったり、需給バランスを調整したりして、域内のエネルギー効率を最適化して安定供給を実現します。調整役であるアグリゲーターとの契約内容によっては、節電インセンティブによる収益も得ることができます。
参考:経済産業省資源エネルギー庁 公式サイト(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html)
再生可能エネルギーを導入する際には、削減できる電気代と初期費用のバランスを検討する必要があります。しっかりと発電量シミュレーションした上で、投資回収の長期的なプランニングを行いましょう。
再生可能エネルギーの発電設備を自前で構築することは、メンテナンスや修理にかかる費用負担も生じます。また、自然災害で設備が損傷し、発電自体ができなくなるケースも考えられます。そのような事態を想定して、再エネ事業者向けの保険加入や、設備を自社で保有しないPPAを検討することはリスク管理の一例となります。
参考:[PDF]三井住友海上火災保険株式会社 ニュースリリース(https://www.ms-ins.com/news/fy2022/pdf/0510_1.pdf)
再生可能エネルギーの導入後は、シミュレーションと実際の発電量の差をモニタリングしたり、定期的なメンテナンスを行ったりすることで、設備が長期的に安全かつ効率的に運用できるように管理します。汚れがついたままの太陽光パネルは発電効率が落ちてしまうため、1~2年に1度は清掃メンテナンスが必要です。
太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーは、電気代削減といった経済性だけでなく、環境経営による企業価値の向上にも有用です。また、VPPを介して他の需要家やアグリゲーターと連携することで、より効率的・安定的にエネルギー資源を活用することができます。
再生可能エネルギーを取り入れたいと考えている企業に向けて、VPP事業者による導入支援や運用サポートを行っています。導入前はもちろん、導入後のトラブルにも対応してもらえるほか、再エネの知見を持った専門家によるコンサルティングサービスを提供しています。
VPP(バーチャルパワープラント)によるエネルギー管理は、再生可能エネルギーをより効率的に活用するための新しい方法です。これにより、企業は電力の安定供給や節電インセンティブの収益化を実現し、エネルギーコストの削減と経営の安定化が期待できます。VPPは、分散型電源の導入が進む中で注目されており、持続可能な社会に貢献しつつ競争力を高める手段として魅力的です。
再生可能エネルギーやVPPに興味を持った方は、ぜひ詳しく知識を深めてみてください。詳しく知りたい方はこちらへどうぞ。
以下では商業施設、製造業・工場、テナントビル(オフィスビル)の太陽光発電の導入メリットや、太陽光発電の効果的な活用法を紹介しています。
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